先日読んだ『品性がにじみ出る言葉づかい―日本人なら身につけたい』で、最もスッキリしたのが、ずっともやもやと使っていた「おかげさまで」の使い方について。
「おかげさまで」ってなにかと重宝してしまうけれど、意味を考えると、お世話になっていない件に使ってもよいものか、いつも迷っていました。
例えば、仕事でお世話になっている相手にメールをする。
「弊社はおかげさまで、お問い合わせをたくさんいただいております」
これは、いつも利用していただいているお客様の「おかげである」と言えるのでOK。
では、自分が産休から復帰したことをご連絡する場合、
「おかげさまで無事に出産し、今月より仕事に復帰いたしました」
これはどうだろう。
おさまりはいいけど。
出産に関してはプライベートだし、この件に関してお客様のお世話になったとは言い難い。
むしろ相手にとっては「そんなこと知らんわ」ってことかもしれない。
きっとそう思っている人も多いのでしょうね。
この本には、ズバリの答えがありました。
「おかげさまで」は、もともと、仏教をルーツとする言葉で……(中略)……なんの陰かといえば、あまねく行き渡っている仏の慈悲の「陰」を意味しているのである……(中略)……つまり、「おかげさまで」といったからといって、あなたの身を案じてくれた人の「お陰」だといっているわけではないのだ。仕事が一段落したのも仏縁のお陰。自分が今、ここにあるのも仏縁のお陰。わが子がすくすくと成長しているのも仏縁のお陰。だからこそ、「おかげさまで」は、どんな場合にも使うことができるのである。
『品性がにじみ出る言葉づかい―日本人なら身につけたい (KAWADE夢新書)』菅原 圭<著>より
なるほど。
便利に使えますね。
そこで自分が仏教徒か……とか言い出すと、もうなんか大変なので。
その辺は、サラサラっと。ね。