『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』を読んでいて、思うことがあった。
著者の稲垣さんが、本の中で何度も「朝日新聞はリベラル」と言っていて、少しドキッとしたのだ。
もちろん各紙そのようなカラーというかスタンスというか、あるのは知っていたけど
報道は公平にということもあるし、中の人がそのように言い切るのをあまり聞いたことがなかったので。
そもそも、そのような「この新聞はこういうスタンスで作っています」というのって、どこで誰が教えてくれるんだろう。
どんどん紙面の新聞が読まれなくなっているけれど、私はやっぱり新聞社発信のニュースは力を持っていると思っている。
誰もが情報を発信でき、一番PVの多いニュースサイトに掲載される記事でさえ玉石混淆の今。
そんな時だからこそ、新聞とか新聞社の発信するニュースの力っていうのは、やっぱり大きいと思うし、
それゆえ、その新聞がどういうスタンスで記事を発信しているかということを、受け手である私たちが知っていることは当然大事なことだと思う。
ちょっと新聞社のホームページを見てみたけれど、パッとそれらしいものは見つからず、
それらしいところを探していくと……
朝日新聞だったら「社長メッセージ」、読売新聞だったら「報道の重点と実績」かな?
もし稲垣さんのように、こんなにハッキリと言い切ることができるのであれば
それこそ、ホームページのトップからいつでもその新聞社の考え方に飛べるようにしておくとか、
いっそのこと、選挙の時候補者と公約を一覧しているように、バーっと並べて貼り出したりするのはどうだろうか。
もちろん新聞社だけでなく、ニュースを発信するサイト等にも、こうした取り組みがあればいいと思う。
人気のポータルサイトは、朝日新聞の記事を載せたら関連記事に毎日新聞の記事も載せたらいいと思う。
情報が氾濫している時代、メディアリテラシーを育てるのは最も大切なことの一つになっていくだろうし、世の中には色々な考え方をする人がいるのだということを知ること、そして受け入れることが、すぐにいいか悪いかに分けたり、自分と違う意見には「バカ」だとか「黙れ」だとかコメントしたくなっちゃう今の時代に、大切なことなのではないかと思う。