仕事をする時には、大概ラジオをかけています。
ラジオは車を運転しながら聞く人が多いためか、頻繁に安全運転を呼び掛けるアナウンスがあります。
ここ数日は、先日降った雪の影響で、特に熱心に注意が繰り返されていました。
そこで今日、ラジオパーソナリティの人が、
「いつも以上にスピードを控え、安全運転に努めましょう」
と言ったものだから、もーう気になって気になって仕事どころではなくなってしまいました。
「スピードを控える」……?
あれ?スピードは「控える」って言うんだっけ?
そもそも「控える」って、どんな時に使うんだっけ?
早速『てにをは辞典』(三省堂)を引いてみました。
例が大量にあったので、一部だけ引用します。
【控える】▲を 甘さを。酒を。塩分を。外出を。期日を。消費を。煙草を。
『てにをは辞典』小内一(編)三省堂より該当箇所の一部を引用
今回の「スピードを控える」が正しい使い方だとすれば、意味合いは「甘さを/酒を/塩分を/消費を/煙草を」などと同じく「減らす」という意味のはず。
お、いいことを言ったかな。
「甘さを減らす」「酒を減らす」「塩分を減らす」「消費を減らす」「煙草を減らす」……。
「減らす」につながる言葉なら、しっくりくる。
でも「スピードを減らす」とは言わないですね。
「控える」は主に、「量」に対して使うのかも。
国語辞書を引いてみました。
【控える】〔不結果が起こらないように〕分量を少なめにしたり行為をしないですませたりする。「発言(公表・食事・外出)をー」
『新明解国語辞典』三省堂より関係箇所のみ引用【控える】度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する。「酒を・ーえる」「塩分を・ーえる」
『大辞泉』小学館より関係箇所のみ引用
ビンゴー!
辞書を引いてこんなにスッキリすると、嬉しいですね。
ちなみに「度数」とは、
【度数】①「回数」の意のやや古い表現。③温度・角度・アルコールの含量・眼鏡の強さなどを示す数値。
『新明解国語辞典』三省堂より関係箇所のみ引用
とのこと。
「酒を控える」も「アルコール度数を控える」もOKということですね。
スピードは、「落とす」「抑える」などが良さそうです。
とにもかくにも、みなさん安全運転で!